井の中の蛙 ジンベイを知らず

されど、ほにゃららの深さを知る

着任式。

学校が嫌いで先生が嫌いだった私が、この4月から学校現場で働くことになった。

 

 

新任の先生を対象に自己紹介アンケートを記入する時間があり、その中の一つに「中学校時代の思い出は?」というものがあった。

 

なにか嫌な思いをした記憶があるとかそういうのではないが、特別楽しい時間を過ごしたという感覚も薄い。

どう考えても、今の方が楽しい。大人になって方の方が断然楽しい。

 

たまに主人のゲロゲロと「昔に戻れるなら、どの時期?」とかいう、どうしようもなくくだらない話をするのだが、いつ考えてもその問の答えは「別に戻りたくない」となる。

 

そんな私が、今年から学校現場で働くことになったのだ。

ちなみに先ほどの自己紹介アンケートの質問には「修学旅行で行った沖縄でシュノーケリングをしたこと」と書いた。完璧すぎる、無難な答えを書けたと思っている。

 

 

今日は着任式と始業式と入学式があった。

とてつもなく長い時間を学校で過ごした気がする。席に座っていたのは式の間だけで、それ以外はずっと立ちっぱなしだった。緊張もあいまって、肩も腰も足もパンパンになった。学校の先生はえらいよ、としみじみ思った。エネルギーの塊だ。

 

 

入学式に参加し、新入生の生き生きとした表情を目の当たりにした。

真新しい制服、真っ白な上履き、手の甲まで隠れる袖、幼い顔つき。つい数週間前までは小学生だった彼らが、今、中学校の制服に身を包み、入学式に臨んでいる、という事実になんだかじーんとした。彼らのことはまだ何も知らないのに、それでもちょっと感動した。

 

学校嫌いだった私が、こんな心境になっているのに驚いた。

 

人の心は、やっぱり少しずつ変化したり成長したりしていくのだろう。

15年前の心のままなわけがないのだ、ということを感じた日だった。

 

これからここでどうやって働いていくのか、どのような気持ちになっていくのか、その変化が楽しみだ。