井の中の蛙 ジンベイを知らず

されど、ほにゃららの深さを知る

部屋の片づけは心の片づけ

中学生や高校生で、自室の整理が行き届いている人がどれほどいるのだろう?

授業で配られるたくさんのプリント、テスト用紙、授業ノート、妙に分厚くて捨てにくい冊子、などなど。毎日毎日増えていって、すぐに物で溢れかえる。

それをきちんと、こまめに、面倒くさがらずに整理出来る人って、どれくらいいるのだろうか。

そういう人はえらいなぁ…と単純に尊敬する。すごい人だ。

 

私はこれまで、家庭教師として子どもの部屋を見たり、児童福祉施設で働いていた頃はそこに入所している子どもたちの部屋を見たりしてきた。

 

その経験から、一つ間違いなく言えるのが、

部屋の様子はその子自身の様子と重なるものがあるということだ。

本当にめちゃくちゃ分かりやすい。

 

いつも部屋の整理が行き届いていて、可愛らしく飾りつけまでされている部屋が、ある日様子を見に行ってみると、衣服が脱ぎ捨てられたままになっていたり、机の上がぐちゃぐちゃになっていたりすることがある。

そういう場合、その部屋の住人はたいてい、めちゃくちゃ疲れていたり、イライラしていたりする。つまり、いつもと様子が違うのだ。

何か他の場所でストレスがあり、それを持ち帰り、疲れ、余裕をなくし、イライラしやすくなっている。

荒んだ心が、そのまま部屋に表れているような、そんな感じだ。

 

「部屋はその人の状態を表す」と良く言うが、もう少し正確に言うと「部屋の変化はその人の変化を表す」と思う。

 

例えば、施設で働いている時にこんなことがあった。

普段は物で溢れかえっている部屋が、今日は断捨離をしてすっきりしている。物が少なくなり、スッキリとした空間が広がっていた。それだけでなく、部屋全体が以前よりも明るく感じた。その部屋の住人を見ると、とってもスッキリした表情をしている。

その部屋自体にも余裕が出来たが、その人の心にも余裕が出来たのだろう。

 

部屋のキャパと心のキャパって似ているなぁとしみじみ感じる。

物で溢れかえっている部屋には、新しい家具は置けないのと同じで、
ストレスや考え事で溢れかえっている心には、新鮮な空気は流れてこない。

 

部屋の片づけは確かにちょっと面倒だが、片づけが完了すると必ず余裕を取り戻すことが出来る。

余裕を取り戻すためのとっても簡単な方法の1つだ。