東大に入って分かった【頭の良い人】の特徴
高校の時の恩師や予備校の先生から、「受験生たちの前でちょっと喋ってほしい」と言われることが良くある。
最初の頃は、自分が受験生だった時の勉強ペースや毎日の過ごし方を伝えたりしていた。
しかし次第に、自分の勉強の仕方はちょっぴり独特で、他の人にはあまり参考にはならないなと感じ始め、勉強方法などについての話は少なくしていった。そもそも、東大や京大を目指す人はとにかく勉強するのが一番で、そこにコツとかないよな、と思い始めたという理由もある。
その代わり、東大に入って分かった、東大生の特徴を話すことにしている。
東大の人にも色々ある。
いけ好かない奴もいるし、恐ろしくのんびりした人もいる。めっちゃフレンドリーで、熱血な人もいる。変な人もいれば、頭がおかしい人もいる。意外と普通だなとぱっと見で思ったのに、喋ってみたらぶっ飛んでた人だった、なんてめっちゃある。
だから、そんな東大生たちを一括りにするのは難しいし、なんともおこがましい話ではある。
ただ、私は心理士。
人を見るのが大好きだ。そして、その人たちの特徴を掴むのが得意だ。
東大生のほとんどの人が持っている特徴が2つあると思っている。
それは、【爆発的な集中力】と【マイペース】である。
集中力のある人が多い。それも、恐ろしく濃密な集中力である。
いつも忙しく頭の中をフル回転させている人が多く、
今にも「キュイーーーーーーーーン」とモーター音がしそうなほどである。
こめかみ当たりから煙が出てくるのが見えそうな時だってある。
集中力のスイッチが結構すぐに、そして簡単に入る印象がある。
そして、マイペースな人も多い。
東大の中には、変な学生も多いが、変な先生も多い。
何が変かというと、どんな時も自分の世界に浸っているところである。
たいていの人は、自分の世界に浸る時は、時と場所を考える。
でも、東大の人は、相手にお構いなしにマイワールドに入っている。(そしてそのことに本人はあまり気付いていない)
ただ、相手もその世界に興味を持って入り込むし、本人も魅力的にその世界を見せてくれるから、あまり大きな問題は起きない。
お互いにマイワールドがあることを承知しているので、そこを侵害するようなこともしないし、案外優しい世界なのだ。(もちろん、相手のことを踏みにじるような、ひどい奴もいるけれど)
こんな【爆発的な集中力】と【マイペース】がかけ合わさるとどうなるか。
何時間も、何十時間も、研究室に入り浸って、ずーーーーっと自分の興味関心分野を突き進む人間が出来上がる。
東大は、研究に没頭することを可能にしてくれる最高の機関なのだ。
そして、それが楽しくて仕方ない人たちで溢れているのも、東大だ。
私の場合(受験生の頃)、集中力は人よりちょっと優れている程度で、マイペースさはゼロだった。
人の目を気にして、周りのペースに合わせて、自分のペースは完全に無視して生きていた。
しかし、どこかのタイミングで、めっちゃマイペースになった。他人を気にしなくなった。
特に勉強に関しては、自分が分かるまでとことん時間をかけた。自己中に勉強をした。
そうやって、なんだかんだで紆余曲折がありながら東大に入ることが出来たのだった。
別に勉強が好きで好きで仕方ないというわけではない。
特に受験勉強なんて、面倒くさい以外の感想が思い浮かばない。
それでも、分からないことが分からいまま積み重なっていく感覚は、とてつもなく不快だった。なるべく分かるようになりたかったし、どうしても分からないなら“分からない理由”を知りたかった。
そういう自分の欲求(分からないのが気持ち悪い、分かりたい)に正直になった時、マイペースになるしかなったのだった。
私以外の誰かが理解できることが、私に理解できるとは限らない。
誰かのペースで学びを進めていっても、私が理解できないとその時間は意味がないのだ。
集中力もマイペースも、もともと生まれ持った素因なのか、それとも育っていく環境の中で得られた力なのか、どちらなのかは分からない。
ただ、どちらの力も、もしあるなら開花させた方が絶対に面白い。
とことんマイペースに、爆発的な集中力を費やして、目の前の事柄に注力してみるのも面白いと私は思う。