はじめて献血ルームに行った時の話
みなさんは献血ルームに行ったことがあるだろうか。
ちょっと大きめの駅とかに行くと結構な確率で「献血おねがいします」という声が聞こえる気がする。私はO型なのだけど、O型はA型さんやB型さんにも輸血が出来るらしい。私ってば、なかなか融通の利くタイプである。
献血ってあんまりリスクがなく、それでいて社会に貢献できるようなイメージがあって、機会があればやってみたいなぁと常々思っていた。
しかも最近の献血ルームはハーゲンダッツが食べれたり、ドリンク飲み放題で漫画や雑誌も読み放題、みたいなところもあるらしい。血を抜かれている間も、その後の休憩も、かなりゆったりと過ごせるようだ。そんなの、行ってみたい、しかない。
でも、どうにも『よし!献血に行こう!』と意気込んで家を出る気にはなれないし、じゃあ外出先でたまたま出会った「献血おねがいします」について行くかと言われると、その時は用事があって外出しているんだからなかなか献血の時間は作れない。
献血自体も緊張するが、そもそもまず献血ルームに行くというだけでなかなかに高いハードルがあった。
それが先日、思わぬ形でそのハードルを飛び越えることとなる。
それは旦那ボテチンの自動車免許更新の日。寂しがりな私は、ボテチンの免許更新について行った。とはいっても、更新センターに一歩入ったら、もう完全に別行動。本当はボテチンにずっとついて行ってやろうと思っていたのだけれど、あまりに並んでいて足は疲れるし、前後左右に人がいるのでなんだかお喋りもしにくいし、全然楽しくない。
もうこれは一人で楽しむしかないと思い、更新センターを出てカフェに行くことにした。
その時、カフェと反対方向に献血ルームが目に入った。
これまで何度となく飛び越えることが出来なかったハードルが、まさかこんな形で突然現れるとは。
『こういう時間がまさに献血タイム…!!!!!』
そう思い、ドキドキしながら献血ルームに向かった。
献血に行くことを決意したは良いものの、歩みを進めながらふと考えてしまった。
入り口で「献血おねがいしま~す!」と叫んでいるおじさんがいる。
この人の声に反応する形で『あ、いいですよ、今時間あるんで』的な感じで偶然を装った方が良いのか、はたまた『私は献血する気満々ですよ!!』という感じで乗り込むのが良いのか、『ちょっと興味があるんですけど…』と控えめに入るのが良いのか、、、そんなことを考えてしまったのだ。
わたし、勝手にハードルを高めるタイプ。
初めて献血ルームに行く時にどんな振る舞いが正解なのかが分からなくなった私は、一気に献血ルームに行く勇気がなくなった。献血ルームの少し手前で一度引き返し、更新センターに戻った。とりあえず更新センターの中にあるコンビニに入る。用事はない。
『でもなぁ~、行ってみたいんだよなぁ~。こんなチャンスめったにないしなぁ~』
もじもじしながら店内をあてもなくウロウロする。そして、やっぱり行くぞ!と決めた。
更新センターを出て、また献血ルームの方へ向かって歩く。
でもやっぱり、さっきの疑問が頭に浮かんでしまう。
どんな感じで献血ルームに入れば良いのか分からないまま、献血ルームの入り口、もとい、「献血おねがいしま~す」と叫ぶおじさんはどんどん近づいてくる。さっき引き返した所はあっという間に過ぎて、あと数歩のところまで来てしまった。おじさんにはどんどん近づくのに、振る舞いの正解には全然近づけない。むしろ正解から遠ざかっている気がする。
あー、どうしよう、えー、まじで、どうしたら良いの?!?!?!
正解が分からずにパニくった私は、その献血ルームの入り口を、正確には「献血おねがいしま~す」と叫ぶおじさんの前を、、、、他の歩行者と同じように通り過ぎてしまった…!
やってしまったーーーーーーーーー!!!!!!!!!
通り過ぎながら一気に後悔の念が押し寄せてくる。
こんなチャンス、そうそうないぞ?!?!これを逃したらたぶん一生行かなくなるぞ?!
今日は絶対に行きたい!!!!!
通り過ぎたついでに、外から献血ルームの中を覗いてみた。カフェのような可愛らしい感じで、ますます行ってみたい気持ちになった。これはもう、行くしかない。振る舞いの正解は見つかっていないが、もうこの際なんでも良い。一度変な失敗をしたから、あとの失敗なんて全然気にならない。
でもまぁそうはいっても、通り過ぎた人間がUターンしてそのまま献血ルームに行ったらおじさんに『あ、こいつ、様子見で一旦通り過ぎたな』とか思われちゃうかもしれないし、それは恥ずかしいから、、、とか思って、とりあえず何もなかったフリして更新センターに戻ることにした(本日2度目)。もうかれこれ5回も更新センターの入り口を通っている。用事はないけど、ボテチンに会いに行った。
わたし、勝手に上げたハードルの高さに自分でびっくりするタイプ。
ボテチンはまだ手続きの最初の方にいた。まだ結構時間がかかるっぽい。
やっぱり今日は献血日和なのだ。うん、そうだ。今日は絶好の、献血日和…!!!!!
勇気を振り絞って、「献血おねがいしま~す」おじさんの元へ行った。この期に及んで正解なんて見つかるわけもなく、最終的には不審者のようにきょどりながらおじさんのところに行くことになった。
行けた。行ってしまった…!!
おじさんは私に気付くと「献血ですか?」と声をかけてくれた。そのまま献血ルームに案内される。
やっと、やっと、やっと…!!!!
私は献血ルームに足を踏み入れることが出来たのだった。
この達成感ときたら、あれだけ何度も更新センターを出入りしただけのことはあった。非常に長い道のりだったが、間違いなく今わたしは献血ルームにいる…!私は無敵になったような気がした。もう何でも出来る。注射も全然大丈夫。どんと来い!!!
おじさん:「献血は初めてですか?」
私「あ、はい、初めてです」
「じゃあこれを読んで、ここに掛けて少しお待ちくださいね。あ、朝ごはんは食べましたか?」
「食べてないです」
「あー、初めての人は朝ごはんを食べてないと出来ないんですよ」
え???????????
まじで??????????
撃沈。
飛び越えたハードルの直後に落とし穴があったなんて思いもよらなかった。
私の献血への挑戦は、たった10秒で幕を閉じたのだった。
献血をする際の注意点
次に献血ルームに行くときに同じことにならないように、おじさんに話を聞いておいた。
朝ごはんは食べておくこと、睡眠はしっかりとっておくこと、薬は飲まない。予防接種を受けていたら献血出来ないこともある。
あの時ちょうど鼻づまりに悩まされていて2週間くらい薬を飲んでいたから、朝ごはんを食べていたとしても結局献血は出来なかった。
他にも色々とあるみたい。6か月以内にピアスを開けた人とかも献血出来ないっぽい。
そう考えると、献血が出来る人ってかなり健康な人に限られるんだなぁ。
まぁそりゃそうか。
私の献血チャレンジはしばらく持ち越しです。
色んな献血ルームがあるみたい!
健康になって、朝ごはんちゃんと食べて、みんなも行こう!(←誰ww)
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