趣味のバトミントンで訴訟…??
私の夫であるゲロゲロが、ふと「このニュース知ってる?」と話し始めました。
「なんか、バトミントンのダブルスで “味方” のラケットが当たって怪我したらしく、訴訟になって1300万払えってなったんだって」
ドライブ中だったんですが、この話題でもちきりになりました。
↑これです↑
どうやら、趣味のバトミントン教室での事故だそう。
ダブルスでペアを組んでいた人のラケットが原告の目に当たって怪我をし、日常生活に支障が出るほどの後遺症が残った。で、そのペアの人を訴えた。1審では賠償額780万円だったところ、2審では覆ってペアの女性に全責任があるとして1300万円の支払いを命じた…
というもの。
この記事を読んだだけでは事故の全容は分かりませんが、
私はこのニュースを知ってなんとも言えない複雑な気持ちになりました。
だって、趣味でバトミントンをする仲間。ダブルスでペアを組んだ相手です。原告も被告もきっと複雑な気持ちになっただろうな、と思います。
原告の方の気持ちはごもっともです。
負傷して、しかも日常生活に支障が出るほどの大けが。慰謝料や通院費、休業補償を受ける権利があります。
だから『なんでチームメイトを訴えるの?』とは思いません。
そこじゃない。
この判決での疑問は、東京高裁の判決理由。
✔「被告は原告の動きに注意し、ラケットが当たらないように配慮すべきだった」
⇒〇分かる。立ち位置にもよるだろうけど、配慮は必要。
△でもこれって、原告も被告もお互いに配慮が必要なのでは?
✔「バドミントンはボクシングのように身体接触のある競技ではなく、原告は、ほかの競技者によって危険が生じるとは認識していなかった」
⇒△ "バトミントンは身体接触のある競技ではない。だから、原告は危険が生じるとは認識していなかった" のは、被告側も同じではないか?
✔「原告はプレー中に危険があることを認識しておらず、責任はない。被告が全責任を負う」
⇒△認識はしておらず、責任はない…????ラケットを持っている人がコート内にいるんだから、危険があることを認識していないワケはなかろう。もし、バトミントン中にラケットによって怪我なんてするわけない、と考えているなら、それは被告も同じなのでは?
✔「スポーツであることを理由に加害者の責任が否定されるのであれば、国民が安心してスポーツに親しむことができなくなる」とも指摘
⇒〇分かる。確かに "スポーツ中なんだから怪我して当然" で話を終わらせてはいけない。
△でも、加害者が全責任を負うの…??
つまり、「加害者が全責任を負うの?!?!?」という疑問が残ったわけです。
この記事には判決理由がこれだけしか書かれていないので、あまり深堀することはできないんですが、
なんか全然論理的じゃないな…と思いました。
知らんけど、
なんせ怖いよ、この判決!!!!
自分の身に置き換えてみたら、
趣味のスポーツを楽しんでいて、ゲーム中に仲間を怪我させてしまって、裁判になって(たぶん裁判になってしまう前に色んなことがあったんだろう)、全責任を負えって言われるわけでしょう?
確かに "スポーツ中の事故なんだから、加害者には責任が無いです" というのは、「スポーツであることを理由に加害者の責任が否定されるのであれば、国民が安心してスポーツに親しむことができなくなる」という指摘にも繋がります。
きっとこれまでは、"スポーツ中の事故だから…" ということで、賠償請求を諦めてきた被害者の方も多いんだと思います。
だから今回のように、加害者にも責任がある、という判決は大きな意義を持っていると思います。
ただ、どうしても腑に落ちないのが、
加害者に全責任を負わせる、という判決。
こんな判決で本当に「国民が安心してスポーツに親しむことが出来る」のか…?
加害者に全責任を負わせるのではなく、
趣味のスポーツでの事故でも、何か保障してもらえるような、金銭補助してもらえるような、そんな法令とか制度があれば良いのに…
と思いました。
この判決はほんと…世知辛いです。